せかにのおにぎり map
博多区堅粕2丁目13−14
まあアレっすよ。
この手合のお店は簡単に出来て
すぐ消えるんすよ。
そんなお店いっぱい見てきたもん。
だって場所が場所やん。
高島くんのビッグバンはおろか
バブルにさえ取り残された感のある
福岡ディープスポット。
逆に一周回ってカッコいい。そんな街。
周りはなにやってんのか想像もつかない店舗だらけ。
昭和感しか感じないそんな場所だから
当然 家賃は安い。
安いから簡単に商売始まる。
そう。固定費安いは何にも勝る。
俺も安い家賃に助けられたから商売できた。
謳い文句がこれである。
『世界で2番目に美味しいおにぎり屋』
これまた古典的キャッチーなコピー。
昭和だ。
客は期待されている。
じゃ一番はどこ?と不可思議に思うことを。
だが俺は知っている。
某全国規模のCircledSweetsCafe長丘店でバイトしてたから。
マニュアルに書いてあった。
『うちのコーヒーは世界で二番目に美味しい』と。
その下に 『じゃあ一番は?』
ページをめくると 大きな文字で
『お客様が淹れたコーヒーです』 ベタい。
まぁそんな
『ふ~~~ん……』感を
お腹いっぱいに持ちながら
だがお腹は空いている。
おにぎりアクションのネタにもなる。
店に入りメニューを見上げるあたりから
様相が変わってくる。
とんでもない量である。
思いつくだけでも とんでもない作業量。
これだけのメニューをひけらかせば
注文入ったあとに あれは無いこれも無いは許されない。
全ての具材を在庫しておかねばならず
その在庫管理だけでも想像を絶する労働だ。
場所覚えるだけでも…
俺の妄想のなかには
おばあちゃんとおばちゃんの中間域に属する
背が低めのふくよかな女性がいた。
実際にキッチンにいたのは 男性二人。
1人は物静か気味で真面目が取り柄です系。
1人は嫌み無い笑顔で接する人たらし系。
店の発見からここまで
イメージはどんどんプラスに転じている。
だが 要は味である。
空間をウリにするカフェだって
物珍しい食を提供する店だって
マズけりゃ話にならない。
空間をウリにはしておらず
ちっとも珍しくない商品を提供するお店。
マズけりゃ… いや相当にウマくなけりゃ…
金ごま塩 150円。
さば梅大葉 250円。
値もなかなかだ。
コンビニの商品企画会議じゃ
新谷部長にハネられる。
金ごま塩。
胡麻が塩コーティングされていると。
なぜかおいしいゆで卵 100円
さば梅大葉 250円
結局どうなんだよ!
そう思われると想像する。
特に前段をじっくり読んでくれた方々には。
外食系ブログの最大の弱点
『記事読んだから行った気になっておしまい』
これが嫌いだ。
だが今はこれを利用したい。
もし百人が読んでくれたなら
二人しか行って欲しくない。
大繁盛されたら行く気がしない。
だが潰れてもらっちゃ俺が困る。
だから微妙に書く。
webメディアのゴースト仕事じゃない。
ここは俺の場所。
公序良俗に反しないから 好きに書かせろ。
そしてこの店も 俺の場所認定。上位ランク認定。
福岡ジョニラン ★★★★☆ 星四つ。
こうなると 空間は違う表情を俺に向けはじめる。
じわじわと俺を包む昭和。
傷んだアスファルトや欠けたコンクリート。
団地の配管やトラックの排気音。
そんな中で おにぎり二個とゆで玉子。
下手なアーリーアメリカンなカフェより
ずいぶん居心地がいい。
足りないものは ひとつだけ。
走りまわる子供らの声。
せかにのおにぎり map
博多区堅粕2丁目13−14
定休日はInstagram
やべぇ!酒あるじゃん!
焼酎無いのが助かるわ。
芋お湯割りとかあったら間違いなく頼んじゃう。